“ 「集中力は2時間程度しか続かない」と言われることがよくありますが、本当でしょうか。確かに勉強を続けていると疲れてきますが、一方でスマホのゲームなら気が付くと何時間でも続けてしまうという学生もいるでしょう。そもそも大人になれば、仕事は2時間ごとに休憩など取らせてもらえません。

 実は私たちが勘違いしがちなのは、「飽きた」のを「疲れた」のと混同してしまっているということなのです。その証拠に、私たちは無意識に、「しばらく英語を勉強したから次は数学を少しやろうかな」などと、科目を変えて勉強を続けていることがあります。これは英語を考えることに飽きた脳が、違う刺激を求めているからなのです。暗記することや考えること自体に疲れたのであれば、何の科目を勉強しても進まないはずです。そうして次は世界史や日本史、さらに現代文などと進めていって、ついに考えること自体に疲れてくると、どの科目を勉強しても進まなくなって、そこでようやく休憩の出番がやってくるというわけです。

 このことを考えると、集中力を長続きさせる手っ取り早い方法に、勉強する場所をこまめに変えるという方法が挙げられます。学校の図書室で勉強したら、次は塾や予備校の自習室に寄って勉強する。それから帰宅してまずは居間で勉強したら、最後に自分の部屋で勉強する。場所をどんどん変えていくと、そのたびに脳は新鮮な状態にリセットされます。また応用編として、場所を移動しながら勉強するという方法もあります。車の通りなどもある屋外で行うのは危険ですが、自宅内をウロウロしながら暗記物を口に出しながら勉強するといった方法も、廊下や洗面所で勉強することに慣れていない脳にとっては、それはそれは新鮮な経験です。

 いかがでしょうか。これまで「疲れた」が口癖だった方は、これからはぜひ意識して「飽きた」と言ってみてください。「疲れた」のであれば休憩しなければなりませんが、「飽きた」のなら違う勉強をすればいい、という方向に意識を向けられるはずです。上手く勉強を進めて、ぜひ志望校合格を勝ち取ってください。”